物心ついたときから、
いつもライバルがいた。

同性で、歳が近い妹たち。

故に、
比べられること、
比べることが本当に多かった。


四六時中競争。
お母さんもおやつも取り合い。
日々ケンカ。

毎日大騒ぎだった。


ひとりっ子だったら
何でも独り占めできて
どんなによかっただろう、なんて
よく考えてた。

もっと心穏やかに、
マイペースに生きられるのにって。

この"負けるの恐怖症"的な性格も
違っていたかもしれない、と。



でも、最近たまに思う。

ライバルがいるということは、
幸せなことだったのかもしれない、と。

優劣という概念さえ持ち込まなければ、
彼女らは、
"切磋琢磨し合い、喜びを共有できる魅力的な仲間" 
なのだ。

敵ではなく、心強い仲間。

わたしには、素敵な仲間たちが、
いつも傍にいた。

そんなことに気付いた。


優劣という概念は、
仲間を敵に擦り替える。
 
自分の不安を排除するために、
優劣に縋っていたのだろうが、
仲間を敵にしてしまうのは
やっぱり勿体無い。


せっかくなら、
敵より仲間がたくさんいるほうがいい。


あの人もあの子も皆、
みんな仲間。


そう考えると、
胸が軽くなった。